清水エスパルスが世界一クラブになるまで続ける観戦記

遠く関西から清水エスパルスを応援。

「J1昇格」~エスパルスの思い出~ vol.4 vs徳島ヴォルティス 2016.11.20

勝てばJ1昇格、負ければ来年もJ2。そういう意味では、長い清水エスパルスの歴史にとって最も重要な試合と言えたかもしれません。J2に落ちたチームはどのチームも、1年でのJ1昇格を必ず誓いますが、実現できるクラブは多くありません。2016シーズン、全体を通してはオリジナル10として違いを見せつけた試合もありましたが、結局J1復帰ができるかは、最終節までもつれ込みました。
試合当日。あれほど多くの静岡県民が一挙に徳島に行ったのは、あれが初めてじゃないかと思うほど多くのサポーターが鳴門に集まり、その数は徳島サポーターを圧倒的に凌駕していました。スタジアム全体の約半分、4000人弱のサポーターが集まったようです。


サポーターの大声援に後押しされるかのように、前半は終始エスパルスのペースで、犬飼のゴールで先制。その後も再三、徳島ゴールに迫るも、2点目を奪えなかった。すると35分、徳島・藤原のペナルティエリア外からロングシュートを決められてしまう。見事すぎるゴールで、GK植草も触ることができなかった。その後ももう一点を奪えず、そのまま前半終了。

前半終了時点で自動昇格を争う松本はリードされている状況だったが、清水としては勝利がほしい。後半に点を取って守り切るしかない状況でした。

後半もやはり清水ペースで試合は進むも、なかなか得点が奪えなかった。すると68分、小林監督は前半から最前線でハードワークをしていて疲れの見えた大前に変え、金子を投入。その数分後だった。広い右サイドにボールを運んだ鄭大世がクロスを上げると、ゴール前に飛び込んできたのは交代で変わったばかりの金子だった。左足でよく抑えのきいたボレーで、徳島ゴールにぶち込んだ。2-1で清水リード。

このまま終われば松本の結果に関係なく、得失点差でほぼ清水の昇格が決まる状況だが、選手には後半の途中経過までは伝わっていなかったそうだ。その後は徳島にチャンスを作られるなど苦しい時間も続いたが、何とか逃げ切って2-1。清水エスパルスが勝利、その瞬間J1昇格が決まった。結果的に松本は試合をひっくり返し逆転勝ちしていたため、エスパルスは引き分けでは自動昇格にならなかった。まさに劇的な勝利。昇格の瞬間、リバイブは大歓声に変わった。

 

一年での昇格という難しいミッション、6月の苦しい時期を乗り越えてそれを果たした選手に本当に感動しました。終了のホイッスル後、倒れこむ鄭大世、おいおい男泣きする植草を見て、もらい泣きしました。J2プレーオフというものは簡単ではなく、3位となった松本は結局その年J1に上がれませんでした。ジェフ千葉東京ヴェルディの現状を見ていると、J1にあがることは本当に難しいんだなとよく思いますし、清水もそうなる可能性は十分あったと思います。一年で跳ね返したエスパルスは本当にすごいと思います。オリジナル10として、とか、サッカー王国として、とかいろいろ言われますが、この時本当にそういうプライドとかは何の意味もなく、でもこの長かったシーズンは絶対に(サポーターにとっても)糧になると思いました。